はいこんにちは、MotoCampです!
このページをご覧になる方はこれからバイクで2人乗り(タンデム)を考えている方でしょうか?
後ろに乗せる人は彼女だったり、友達だったり、家族だったり色々だと思いますが、二人乗りには1人乗りとは違う点があります。
この記事では、これからタンデムをするライダー向けに、タンデムの際にどういった点を気を付けていけばいいのか、私の体験をもとに共有していければと思います。
予習をばっちりして、楽しいタンデムツーリングにしましょう!
二人乗りの出来る条件
まずは、二人乗り(タンデム)の出来る条件について確認してみましょう。
地味ですが、知らないと罰せられることもあるので忘れずにおきたいところです。
(法律の条文番号は2018年6月時点のものです)
以後、タンデム=二人乗り
タンデマー=二人乗りで後ろに乗る人 の意味で話を進めます。
免許取得後1年であること
まずタンデムは自動二輪免許を取得してから1年を経っていないとできません。
この1年は、二輪免許と大型二輪免許の取得期間を通算して1年でも良いとされています。
タンデマーについてはバイク免許の必要はありません。
また、高速道路の場合、同様に免許取得してから3年以上で、なおかつ二十歳以上でなければ2人乗り運転をしてはいけないとされています。
ただし、首都高の一部区間ではそもそも二人乗りが禁止されている区間がありますのでご注意ください。
(法令の根拠:道路交通法71条の4 3および5および6)
(出典:首都高ドライバーズサイト)
二人乗りの出来る車種であること
二人乗りするにはバイクが法的に基準をクリアしていなければなりません。
その基準とは
- 排気量が51㏄を超えるもの
- タンデムステップがあるもの
- タンデマーがつかむグラブバーまたはベルトがあること
(保安基準第 20 条第1項、道路運送車両の保安基準の細目を定める告示26条)
と定められています。
違反したときの罰則
2人乗りするためには免許取得から1年以上経過していないといけないわけですが、これに違反した場合、罰則として2点の違反点数・12,000円の反則金となります。
(大型自動二輪車等乗車方法違反 道路交通法71条の4・5項)
タンデマーの服装
服装のポイント
タンデマーに服装について伝えるなら、次のポイントを押さえましょう。
- 長袖・ロングパンツが基本で、ばたつかないもの。
- 足元はくるぶしの隠れるブーツが理想(なければスニーカー)
- 風で寒いので一枚上着を着ておく
- 大きなピアス・髪留めはヘルメットに引っかかるのでつけない(女性の場合)
- カバンはリュックかメッセンジャーバッグなど、手に持たないもの
なるべくライダーと同じ装備を
服装とは別に、バイク用の装備はなるべくライダーと同じレベルものを身に着けてもらいましょう。
具体的にはヘルメットはもちろんプロテクター入りのライティングジャケット、グローブ、膝プロテクターなどです。
不運にも事故があれば、タンデマーも当然ダメージを負いますので身を守る装備をしてもらいましょう!
我が家では奥さん用にレディースの3シーズン用と夏用のジャケットを買いました。
3シーズン用のジャケットは、防水・防風と機能が良いのでおすすめです!
【このジャケットのレビューも書いてます!】
>>コミネ ジャケット JK-555 WPプロテクション を10,000km走ってからレビュー!
このほか、グローブはライダーが用意してあげましょう。
ヘルメットはジェットかフルフェイスで
ヘルメットはジェットかフルフェイスを用意しましょう。
半ヘルはいうまでもなく論外!!
(頭の正面と側面からの衝撃から守るものがなにもないので、冗談ではなく事故のときタンデマーの顔がなくなります)
ぜひちゃんとしたヘルメットを着けてあげてくださいね。
タンデマーの安全を最優先する
理想はフルフェイスヘルメットにプロテクター入りのジャケットをタンデマーにもつけるべきだと私は思います。
バイクで2人で出かけるということは、相手はそれなりの仲良しであることが多いでしょう。
仮に事故があったとき、相手の顔や体に一生の傷や後遺症を残してしまうことがあります。
仮に事故について自分に非がなかったとしても、ハンドルを握っていた者としてなかなか平気ではいられないでしょう。
後ろに人を乗せるということは、その人の命を預かっているということです。
それだけの自覚に見合った装備をタンデマーにつけるようにしてほしいと思います。
乗り降り
では具体的な運転で気を付けるポイントについて説明していきます。
私自身はマニュアルのバイクに乗っているので、(ビックスクーターではなく)マニュアルのバイクを例にして説明していきます。
ツーリングの当日に待ち合わせして、これからバイクに乗ろうとしているとします。
ライダーがタンデマーに乗る前に伝えておくことは
- 乗るとき、降りるときは必ずライダーが「いいよ」って言ってから
- 乗るときはなるべく片側に大きく体重をかけずに、なるべくバイクの中心に体重をかけながら乗る
この2点を伝えておきましょう。
タンデマーが勝手に乗り降りされるとバイクは簡単にバランスを崩して転倒するので、その防止のためです。
2つ目については体格の関係で無理な場合、片側のステップに足をかけて乗ってもらいましょう。
タンデマーが乗り降りする際は次のようにバイクを安定させます。
- ライダーはバイクにまたがった状態でフロントのブレーキを握っておく。
- さらに両足(無理なら片足)を踏ん張っておく。
- 乗り降りの際に車体のバランスを崩す心配があるときは、あらかじめサイドステップを出しておく。
乗車姿勢
さて、2人ともバイクに乗ったとします。
発進前に運転中に気を付けてほしいことをタンデマーに伝えておくことがあります。
・荷物になりきってもらう
・ニーグリップ
・腰やグラブバーをつかむ
の三点です。
荷物になりきってもらう
タンデマーは「荷物」とか「お地蔵さん」になってもらうのが一番といわれています。
要は「バイクが傾いたらタンデマーも一緒に傾く」ことを伝えます。
ご存知のようにバイクは傾いてカーブを曲がります。
もしタンデマーがバイクが傾くのを怖がって体を垂直に戻したなら、バイクはカーブを曲がれないでしょう。
逆に、タンデマーが面白がって必要以上に体を傾ければ、バイクはバランスを崩して転倒してしまうかもしれません。
タンデマーの挙動がバイクに影響するということと、ライダーと一体の動きをしてほしいことを伝えておきます。
ニーグリップをしてもらう
ライダーと一体の動作をしてもらう上で大事なのがニーグリップです。
ニーグリップはライダーの基本ですが、タンデマーにもやってもらうと運転が楽になります。
例えば、
- カーブのとき、タンデマーがライダーと一体となるので曲がりやすい
- 急ブレーキのとき、ライダーはタンデマーの体重を下半身で支えられる。
これらの点がメリットとして挙げられます。
タンデマーに余裕があればぜひ実践してほしいところです。
仮にタンデマーのニーグリップが甘い状態で急ブレーキをかけると、タンデマーはライダーの上半身に寄りかかってきます。
このとき、ライダーはこの重さを腕で支えなければならなくなることを頭のすみに置いておいてください。
どこを掴むか
初めてバイクに乗るタンデマーは、いったいどこを掴んでいればいいのかわからないので、指示してあげましょう。
特に背もたれなどがない、体を預けるところがない車種では、大事なポイントです。
掴むところのパターンとしては
- バイクのグラブバーやベルト
- ライダーの腰
- ライダーの肩
- ライダーに抱き着く
が考えられます。
おすすめは片手はグラブバーを掴み、もう片手はライダーの腰を掴むやり方です。
グラブバーが後ろにあると、急発進のとき体を支えづらく、
ライダーの腰だけを掴むと、急ブレーキのとき体を支えづらくなります。
両方の事態を考えて、前後で体を支えられると良いと思います。
グラブバーが両サイドにあるときは普通にグラブバーを掴んでもらえば良いでしょう。
ちなみに私の奥さんは
「スピードの遅い街乗りなら後ろのグラブバーだけ掴んでいて、
流れが速い幹線道路だとグラブバーとライダーの腰を掴んでいる」
そうです。
慣れてくるとタンデマーも色々工夫してくれているようです。
改めてタンデムの乗車姿勢のメリットデメリットをあげると次のようになります。
①片手でグラブバー、もう片手でライダーの腰を掴む乗り方
メリット:最も安定する乗り方。加速・減速両方に対処できます。
デメリット:特になし。しいて言うなら見た目がガチっぽい。
②両手でグラブバー を掴む乗り方
メリット:体が安定し、減速に対応しやすい。これもおすすめです。
デメリット:止むをえず急加速したとき、タンデマーが対処できない可能性があるのが心配。
③肩を掴む乗り方
メリット:比較的ライダーの動きを制限しない。加速・減速にある程度対応できる。
デメリット:グラブバーを掴むときと比べてタンデマーが安定しない。
急ブレーキのときにライダーの上半身に負荷が強くかかる。
④抱きつく乗り方
メリット:カップルの場合、いちゃいちゃ感をエンジョイできる。
デメリット:女同士ならまだしも、男同士だとお互いまったくうれしくない。
ライダーの体の動きがとても阻害されるので、運転しづらい。
運転時の注意
二人乗りで運転するときに注意すべきポイントについて確認しておきましょう。
加速・減速はゆるやかに
ライダーは自分でバイクを操作するため、体を加速・減速に備えることができます。
一方タンデマーは後ろで乗っているだけなので、いつ加速・減速するのかよくわからないことが多いです。
加速・減速は一人のときより慎重に、丁寧に行いましょう。
クラッチミートも丁寧に。
特に発進するときは、すぐにクラッチをつなぐのではなく、アクセルをふかしてから間を空けてクラッチをつなぐと、エンジン音から発進することがタンデマーに伝わります。
「行くよ!」とか一声かけてから発進するのも効果的です。
また、二人分の重さがあるので、回転数が少し高めの方が発進自体もスムーズになるでしょう。
制動距離が伸びる
バイクに二名乗車しているため、一名のときより制動距離が伸びます。
感覚的には時速60kmのとき、1~2mは止まるのに余計に必要な印象です。
早めのブレーキを心がけ、車間距離をしっかり取っておきたいところです。
休憩は1人のときよりこまめに
タンデムは実際やってみると気をつけることが多くて、慣れないうちはしんどいです。
ライダーもタンデマーも疲れます。
こまめに休憩をとったり、信号待ちのときに「そろそろ休もうか」
など声をかけてタンデマーの体調を把握しておきましょう。
疲れていると人間はイライラしがちになるので、せっかくのツーリングがケンカになってはもったいないです。
精神的にも余裕が持てるようにいきましょう!
ルート選択も相談してみる
人によって恐怖を感じる感覚が異なります。
高いところが駄目だったり、スピードが速いのが駄目だったり。
バイクは体がむき出しなので、人によっては恐怖も感じやすいと思います。
これがデートだったりすると、タンデマーにとって怖い思い出になりかねないので、事前に怖がるようなルートはタンデマーにヒアリングして、避けたいところです。
タンデムをサポートするアイテム
ここまで説明してきてタンデマーへのケアが重要なのがお分かり頂けると思います。
タンデマーが怖いと感じる一つの要因が、
「つかまるところが少ない」ことが挙げられます。
バイクにグラブバーがあっても位置が後ろでつかみづらかったり、体がうまく固定されないことでタンデマーが
「バイクから落ちるのではないか」
と心配する場合もあります。
つかまる個所を増やしたりして、タンデマーの不安を解消していくのもいいアプローチだと思います。
手軽にタンデマーがつかまりやすくする道具にカラビナとタンデムバッグが挙げられます。
カラビナ
ライダーのベルト、腰のあたりにかけておきます。
服装によってはタンデマーがライダーの腰を掴みづらいときがあるので、それを補うために腰にカラビナをつけます。
強度の問題があるので、カラビナはベルトを通すループではなく、丈夫なベルトにつけましょう。
タンデムバッグ
ウエストポーチにタンデマー用の持ち手がついたものです。腰のベルトより掴みやすくて、タンデマーは安心するみたいです。
【2019年1月13日追記】
コミネのタンデムバッグ、しばらく使用してみましたが、持ち手の部分がやや不満です。丈夫な布とゴムの持ち手なのですが、素材が布なのでつり革のように多少動くようです。
「グラブバーやライダーのベルトを握っていた方が安定する」という奥さんの意見もあって、今は使っていません。
持ち手の部分がもう少し固めに改善されればいい商品だとは思うのですが・・(追記以上)。
インカムがあると便利!
そのほか、安全とは違いますが、インカムがあればツーリング中の会話も楽しめます!
また、気軽に「休憩しようか?」と聞けるなど、タンデマーの体調管理もしやすくなります。
このインカムは一台1万円以下(2018年10月)とリーズナブルですが、防水で雨の中でも使えるので便利です。もちろん音質も良いですよ!
↓↓この商品のレビューも書いてますのでよかったらご覧ください。↓↓
>>【インカムレビュー】おすすめできるリーズナブルな一台を探した話
バイク初心者に紹介したいその他のノウハウ
最後までおつきあいいただき、ありがとうございます。
タンデムツーリングは何よりもタンデマーへの配慮が大事です。
速く走ることより、タンデマーへのケアを忘れないようにしましょう!
気を付けることは少なくないですが、バイクからの眺めや、目的地に着いた達成感を共有できる楽しみは、タンデムツーリングならでは!
それでは皆さん楽しいタンデムツーリングを~!
この記事では紹介しきれなかった、バイク初心者に向けたバイク購入から初めての公道、安全に楽しくツーリングするためのノウハウをこちらで紹介しています!
>>バイク初心者に伝えたい【免許~購入~ツーリングまでノウハウの全て】
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